【感想】2030年の世界地図帳 落合陽一

落合陽一さん

メディアアーティスト、筑波大他の先生、会社の代表、など数えきれない顔を持つ落合陽一さん。難解な著書もたくさんありますが、この本はとても簡単。高校生くらいから読んで欲しいな。

2030年はそう遠くない

誰も想像し得なかったコロナ禍が終わろうとしているこの世界で、数カ月先もどうなるか分からないって人も多いと思います。

半径10メートルの世界で、自分の事だけを、今日明日の事を考えるだけで精いっぱい。

そうなると視野が狭くなる。どんどん追い詰められて行ってしまう。もっと大局を見たい。もっと過去も未来も見たい。なぜ今ここがこんななのか知りたい。

これを読んでも、今日明日の世界は変わりません。でも、世界の今とこれからのはじっこが見える。これからを考えるベースを手に入れられる。

これをヒントに、これからの身の処し方を考えるヒントになります。子育て中の親も、子どもに対して前時代的な価値観を押し付けなくて済むかもしれない。自分の世代に当たり前だったことは今の世界では通用しない事が多いと分かるから。

止まっているのは日本だけ

世の中は静かに変わっていっている。昨日、途上国だった国は今日すでに日本のすぐ後ろにいる。もしくは前にいる。日本が変われないでいる間、世界はこんなにも変わっていた。当たり前ですよね。

図やグラフがたくさんで分かりやすい

今の世界を、グラフや地図にして感覚的に分かりやすくしたたくさんのデータを基に解説しているのでとてもつかみやすいです。グラフや地図の所を小学生と一緒に眺めるのも楽しそう。三年生以上なら学校で社会も始まっているし、興味を持つかもしれません。どんなグラフだよと、大人が補足してあげれば分かると思います。

本文は、2030年の世界を予想して、重要になるだろう5つのテクノロジーや4つのデジタル・イデオロギーなど「なるほどー!!」と思うことたくさん。

SDGsの事を知りたいと思う人にもうってつけの本と思います。

私は特に、「サードウェーブ・デジタル」として紹介されている、インドやアフリカ諸国におけるデジタル化の話が興味深かったです。その中でも、アフリカでの通信インフラの建設の方法。電話網や、送電網がそもそもない中でどのように通信インフラを整えるか…?相当柔軟な発想が無ければ出来なさそう。でも楽しそう。

落合さんがこの本を通じて一番伝えたかったことはたぶん、第4章の終わりに書かれていることです。これからの日本は、どのようにすれば世界の中の存在感を維持できるのか。この本を読んで、落合さんのメッセージをより多くの人に受け取ってもらえたらいいなと思います。まあ、単純に私は面白かったです。

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【感想】「絶望名人カフカの人生論」 カフカ 頭木弘樹 編訳

ブログで紹介されていた

ミニマリストになりたい秋子のブログ」で紹介されていたこの本。絶望名人って…面白そうだなーと読んでみたら、すっごく面白かったです。

「絶望名人カフカの人生論」 カフカ 頭木弘樹 編訳 

カフカの残した手紙や日記からこれはと思う名言を、将来・世の中・自分の身体・親などのカテゴリーに分類して紹介した本です。

すべてがネガティブです。暗いです。絶望しています。自分が絶望していない時に読むと、絶望も行き過ぎると滑稽さが出てくるんだなと感じるんですが、自分が絶望していたらどうなんだろう。

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つらいときにはつらさに浸る

「はじめに」にも書いてありますが、本当につらくて落ち込んでいる時には、家族や友人からの励ましの言葉もしんどいと思いますよね。

相手は自分の事を気遣ってくれているのだろうけど、心の中では反発してしまったりして。「やればできる」的なことを言われても素直に聞けません。ポジティブがいつも善とは限りません。

それよりも、「そうなんだね、そうだよね。」と頷いてくれるだけの方がいいかな。

それでも、全て理解してくれた!とは思えないだろうなあ。そんな時にはこの本を読みましょう。いくら自分が絶望していてもカフカにはかなわないと思えます。

カフカの絶望がくだらないと思える頃には、自分のつらさも少しはマシになっていそうです。

実存主義の先駆者

カフカ自身について私はあまり知らなくて。「城」と「変身」ぐらいは読んでいましたが…。

「変身」の方が楽しかったです。ある朝目覚めたら虫になっているという発想そのものもそうですが、その虫が部屋の中で新しい這いまわり方を探しているというような文を読んだとき吹き出してしまいました。新しい這いまわり方ってなんやねん。

カフカが書こうとしていたのは新しい小説です。死後、世界で認められたカフカですが、カフカに影響を受けたと公言している作家や、映画監督、漫画家などがたくさんいます。

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カフカ自身は自分の小説に納得がいってなかったみたいですね。最後まで納得することなく結核で死んでしまうんですけどね。

手紙や遺稿が世に出るまでの経緯に感動する

カフカユダヤ人でしたから、死後ナチスが台頭しユダヤ人の迫害が始まると、遺稿や手紙を守るために友人や婚約者などがどんな苦労したか、という経緯も書かれています。

カフカは労働者傷害保険会社で働いている時も仕事ぶりを評価されて出世しているし、自分の死後、命がけで手紙や遺稿を守ってくれる人たちにも恵まれています。

それはカフカの人柄ゆえだろうと思うのですが、こんなにネガティブな良い人って面白かっただろうなー。会ってみたいなと思います。

絶望のひとつをご紹介。

「いつだったか足を骨折したことがある。生涯でもっともうつくしい体験であった。」

こんな感じの絶望が86個。

著者の頭木さん

大学3年生の時に突然難病と宣告された。医師からは「一生治らない」と言われ、13年の間入院か自宅療養の日々が続いた。

これが頭木さんの絶望の始まりです。大学3年生なら、20歳か21歳。そこから30過ぎまで、ずっと療養生活。

どれだけ苦しくつらい日々だったかという事は、ご本人にしか分かり得ませんが、絶望して当たり前の状況であった事は確かです。

友だちはみんな就職して、働いたり、恋愛したり、趣味を楽しんだり旅行に行ったり…。なのに自分は稼ぐことも、外出することさえもままならなかったりする。

焦るし、悔しいし…絶望しかない、本当に絶望するしかない日々。

そんな日々に一番寄り添ってくれたのはカフカの言葉だった、という悲しいような寂しいような本当の事。

結局、我が身の事にならなければ誰かの辛さを理解することなんてできないのだと思います。絶望は自分1人で抱えるしかない。全く同じ立場の人がいないのなら。

しかし、頭木さんはその後、病状が改善し色々な活動を始めます。今でも完治はしていないそうですが、本を出したりラジオやテレビに出たりと大活躍です。

頭木さんの他の本

「絶望読書」

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絶望書店: 夢をあきらめた9人が出会った物語」

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NHKラジオ深夜便 絶望名言」

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「絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ: 文豪の名言対決 」

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絶望している人も、していない人も万一の時のため

この本を読んで、私は今まで本当の意味で絶望したことなんてないと思いました。それは幸せなことであると同時に、絶望した人の気持ちが分からないという事も意味していて、少し悲しくなりました。

今、絶望のただ中にいる人には最高の理解者となり寄り添ってくれる本です。

まだ、絶望したことがないという人には、その時に備えて読んでいて欲しい。

これから先の人生には絶望が待っているでしょうか。頭木さんも言うように絶望する前から絶望の文学を読んでいようと思います。

 

 

【感想】「少ない物ですっきり暮らす」 やまぐちせいこ

「少ない物ですっきり暮らす」 やまぐちせいこ

ミニマリストである、やまぐちせいこさんのブログを書籍化した本です。同じ題名の大大人気ブログを運営されています。さらに同じ題名のYou tubeチャンネルもお持ちで、登録者数は20万人を超える人気です。家族持ちミニマリスト最強と言われているとか。ブログもYou tubeもチェックしています。

Eテレの「あしたも晴れ!人生レシピ」という番組に出演されたこともあります。ご本人はVTRのみの出演で、スタジオのゲストに「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」を書かれた佐々木典史さんが来ていました。佐々木さん編集者を辞めて、引っ越しもしていたのですね!驚き!

やまさん(やまぐちせいこさん)のつくるインテリアがとても好きです。現在は、本に掲載されている場所からは引っ越されて、ステキな古民家住まいを経た後、ご家族の事情により再びアパートに住んでいらっしゃるようです。

でも私はこの本の時の部屋が今は存在していないのが悲しいくらい、好きだなあ。

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こんな部屋で暮らしたい

やまさんはインテリアの色として「白・木の色・少し黒」を基本と考えているそうで。色が氾濫していない、必要なものと少しの暮らしを潤すものだけで作られた部屋はとても清々しいです。本にはたくさん部屋の写真が載っているのですが、かなりすっきりとした印象ながら寂しくない。木を多く使っているので穏やかな温かみが感じられて優しい印象。いい意味の生活感が感じられるインテリアだと感じます。

掃除好きになりたい!

そして何より私がやまさんを尊敬していることは、掃除が大好きだという事。家事で一番お好きだそうで。本当にスバラシイ!!私は何よりも掃除が嫌いなので…。

やまさんのお宅がステキに見えるのは、インテリアはもちろん行き届いたお掃除にあるのだろうなと思います。やはりきちんと拭き掃除まで終えた後の部屋は空気もキリっとして清々しいですものね。

この本を読み返すと私の掃除へのモチベーションがぶち上がります。古民家の部屋もテレビに出ましたが、めちゃくちゃキレイでした。もうあれはお寺レベルですな。

みんなそれぞれ出来ることをやればいい

一方でやまさんは料理が苦手で家族の力を借りたり、献立を工夫したりされているということ。本当に苦手な事、やりたくない事は、外注にだしたり、家電を使ったり、物を少なくして簡単にできるようにしたり、家族に頼んだり、できるだけやらないか短時間で済むようにしてもいいはず。

この本の時から、また進化してテレビでは家族みんなで家事を分担しているという事でした。子どもが成長すれば出来ることも増えるし、家族は日々変化していきますから、その都度状況に合わせて変化して行きたいものです。

当たり前の話だけど、男だって家事はできる

私は家事全部嫌いですが…、一応一通りはできます。女だから、母だから、主婦だからと言って、家事全般出来て当たり前、やって当たり前というのはもう時代遅れだろうと思うのですが、そう思っているのはまだまだ、ほんの一部の人たちだけという現実を目の当たりにすることもしばしば。

後は、女性の中に根強く「自分がやらなくてはならない」という意識が残っている気がします。それはもちろん周囲の目を気にしたり、実際に言われたりしてという事とは思うのですが。

自分がやりたくてやっているのなら何も問題ありませんが、そう思っているつもりでもよく考えてみたら、そのやりたいことは本当にやりたいことではなかったということはよくあります。

自分の中に無意識にある「~しなければならない」と他人からどう思われるかをなくした上でこれは本当に自分がやりたい、やるべきことなのかということを考えていかなければなあと思うのです。それはとても面倒くさくもあることなのですけど、そうしなければいつまでも変わらないのかなとも思います。

何のためにこれを

やまさんはミニマリストであるということですが、ミニマリストであることを目的にはしていません。ミニマリストは手段であるべきですよね。何かを手に入れるための手段です。それが目的になってしまうと、なんとも息苦しい暮らしになってしまう。

やまさんが何を手に入れるためにミニマリストという手段を選んだのか、本を読んで知ってほしいなと思います。そして、私も何のために何を選ぶのかいつも考えていなければと思います。

やまさんの他の本↓

服を捨てると幸せが見つかる 毎日が心地よく変わる「片づけ」レッスン [ やまぐちせいこ ]

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無印良品とはじめるミニマリスト生活 [ やまぐちせいこ ]

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【マイナビ文庫】シンプル思考ですっきり身軽に暮らす [ やまぐちせいこ ]

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シュタイナー教育ってどんなの?

シュタイナー教育って聞いたことありますか?

聞いたことあるけど、詳しくは知らないという方が多いかもしれません。私もそうでした。なんならちょっと怪しい…宗教っぽい?…と思ってました。

シュタイナー教育は、多くの英才教育や幼児教育などのような学力重視ではないので、ほとんどの親にとって、取り立てて目立つ所がないかもしれません。

本や雑誌で取り上げられているのを目にした時も、全体的にやはり地味なのです。推奨されているおもちゃなどは、色の少ない天然素材のものであったり、お人形も布の手作りで、メルちゃんやポポちゃんのようにハッキリした顔つきでもなく本当に素朴です。お人形そのものも、服も売っているものではなくて手作りしますから、ほとんどの親にはそんな時間はないと思われることでしょう。

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我が家のウォルドルフ人形(名前はウォルちゃん)

子育ての最終目標は何か?

しかし、具体的なシュタイナーの教育方針を知るにつれ、「すごく、いいやん!これ!!」と、目からウロコの連続でした。一番強く思ったのは、「私もこんな学校に行きたかった!!」です。

色んな目新しい授業、教える方法があります。音楽と一緒に勉強するとか(ドイツでは当時シュタイナーの学校を音楽学校と思っていた人も多かったとか…)、ダンスのような授業があったりとか、絵をたくさん描くとか、手芸の時間や園芸の時間があったり…。

それより何より、シュタイナー教育の最終目標です。

自分の子どもがどんな大人になって欲しいか?それを頭に入れて日々子どもに接していますか?

私は出来ていませんでした。というか、そもそもそんな考え自体がありませんでした。他の子と同じ時期に首がすわって、寝返りができて、立って歩くかどうか。

早期教育に幼稚園から九九のCD流したり、公文のドリルをさせたり…。みんなと同じか、少し早く出来るように、ぐらいしか考えていませんでした。そうです、気になっていたのは身体の発育と学力面のみです。それも他の子と比べてどうか?という一点です。

自分が育ってきた環境で常識だと思われていた事。学力至上主義で、良い学校に行って、良い会社に入って、良い人と結婚して、子どもを持つという事。漠然とそういうイメージしかありませんでした。なんという思考停止!

シュタイナーの目指す最終目的はなんでしょうか。それは「自由でいられる大人」という事なのかなと思います。

子どもたちに自由放任でのぞむという「自由教育」ではなく、おとなになってから、精神がなににとらわれることもなく自由に活動して、自己を実現できる人間になるように、それが「自由への教育」です。             「ミュンヘンの中学生」より

私のような思考停止の大人ではなく、自分の頭で考えられる人。親が言うから、先生が言うから、偉い人が言うから、上司が言うから、友だちが言うから、みんなそうだから…、ではなく「自分はどう思うか」考えられるようになるには、その前提となる知識や経験が必要です。

大人になると人生色んな事があるわけですが、その時に自分で考えて行動できる、何かの決断ができるというのは、確かに自由です。

自己実現というのは自己啓発みたいでちょっと日本では誤解を招きかねないと思うのですが、要するに自分の人生において何をするのか?を決めて行動できるという事だと思っています。

 

成人して、世の中へでていくとき、外の権威に頼ったり、世の中のすう勢に左右されたりしないで、自分自身の内部で考え、その考えたことには自己の感情がこもっており、しかも、その考えたことを実行できるという行為まで伴う、そういう状態を、シュタイナーでは「自由」というのです。            「シュタイナー教育を考える」より

 

誰かや何かに翻弄されて人生の時間を消費している状態は、確かに自由とは言えないでしょう。「自由」に生きていける子にする。何とも壮大で、果てしなく思える教育の最終目標なのですが、私自身も今からでもそうなりたいと望んでいます。子どもにもそういう「自由」を手に入れて欲しい。

そういう「自由」を持っていると、日本では生きにくいかもしれないし、つらい時も多いのかもしれないけれど、本当の仲間ができるのではないかと思っています。

権威や世論の様なモノに流されて集まった人同士では、「いざ」という時助けてくれないのかも知れないし、自分も誰かを助けようという気になれないのかもしれない。

シュタイナーの学校に入れるかどうか

ちなみに、シュタイナー教育を知るにつれ、「素晴らしい」という思いを強くした私ですが、実際にシュタイナー学園などに子どもを通わせるとなると、かなりハードルが高いと言わざるを得ません。

  • シュタイナーの教育を受けられるところは限られている。
  • 学力重視ではないという事について完全に同意できるかどうか。
  • 私立なので学費が発生する。
  • シュタイナー教育の特性を考えると、先生の能力がかなり求められるのではないかなと感じるので、素晴らしい先生はたくさんおられるでしょうが、自分の子にあたるかしらと考えてしまいます。(まあそれは公立でも同じですが、シュタイナーの場合は1年生から8年生まで持ち上がりなので、1年で担任が変わる公立とはまた違う意味合いがあります。)

シュタイナー教育で良いなと思う所

  1. 文字や数字の成り立ち、という部分から教える。字が出来る過程を追体験できる?感じかな。
  2. 具体的な所から始まり、抽象化されたものに移るのをなるたけ遅くする所。例えば、実際にどんぐりが5個あるのが具体、数字の5は抽象。
  3. 7歳まではファンタジーの中のにいる様に接する。我が子を見ていて思いますが、2年生くらいまでは本当に夢の中にいます。個人差はもちろんありますが…。その時期を過ぎたのに、親がファンタジーな事を言っていると冷めた返しをされて戸惑います(笑)。なので日本の公教育でも3年生から理科と社会が始まり、社会や自然の仕組みを学びますね。現実的な事の方に興味が沸いてくるのですね。面白いです。
  4. 音楽や絵などの芸術が授業と一緒に展開される。算数の勉強をしていて疲れたようならリコーダーをちょっと吹いてまた算数に戻ったり、Kの字を習う前に王さまの絵を描いたり…。
  5. 卒業する年になると、卒論のようなものを皆発表しなくてはならない。それは何でも良くて、演奏でも、家具や絨毯を作るでも、大道芸でも、何かの研究でも良い。それを他の生徒も毎年見ているので、自然と自分は何をするか考えるようになる。という事は、自分は何が好きとか、興味があるとか、得意かとか考える機会になる。

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文字のなりたちを、家庭で教えられないかなと思っていて、見つけたこの本。小1の我が子にはヒットしました。まだ漢字は習っていませんし、ひらがなも怪しいですが…イラストがあるので自分で楽しそうに読んでいます。

 

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どうなんだろう?と思う所

  1. テレビやラジオ、CDなどを見せたり聞かせたりしてはいけない。これは…、無理だなぁと思ってしまう。ただシュタイナーさんの生きてた時代にこういうものが無かっただけなんじゃないの?と邪推。ごく小さい時は可能かもしれませんが、集団生活に入れば子どもの反発にあう事必至。現在のシュタイナー学校でどのように指導されているのかは分かりません。
  2. オイリュトミー 音楽と言語を体の動きで表すもの、なんですが踊りみたいな感じのやつみたいで。全学年の必須科目としてあります。イマイチ私にはこれの必要性が分かりません。見たこともやったこともないからなんとも言えないのですが、強い違和感を感じてしまいます。

私が読んだシュタイナー関連本

シュタイナー自身が書いた本は難解で、読むのが大変なのでシュタイナーの幼稚園や学校に子どもを通わせた親が書いた本を何冊か読んでみました。かなり古いものなのですが、授業の内容もよく分かるし、それに戸惑う親の気持ちも率直に書かれていてとても面白いです。

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学力至上主義という宗教

教育というものは全て宗教だ、なんて言う人もいるくらいですから、学力至上主義だってシュタイナーだって宗教なのかもしれません。何を信じるかは人それぞれですが、それこそ、シュタイナーの目指す最終目標のように、自分自身の頭で判断した上で選びたいものです。

そのためには他の宗教についても知る事は必要かなという事で、こんな考え方もあるんだーという程度でも誰かのお目に留まれば幸いです。

 

【感想】「もたない、すてない、ためこまない。身の丈生活」 アズマカナコ SDGs エシカル エコ

ひと月、電気代546円・水道代1427円・ガス代3660円

アズマカナコさんのことは、SNSで知りました。結婚して子どもができて、シンプルライフとか断捨離とかが大流行で、私も興味津々で、だれかの投稿でこの本のことを知り読んでみました。

やはり衝撃的なのは、「ひと月の光熱費の平均は、電気代546円、水道代1427円、ガス代3660円」という所でしょうね。明細書の写真が証拠のように(笑)掲載されています。

そして1週間のゴミがわずか5リットルの袋一つ分ということ。我が家など、大のゴミ袋を週に2つも出しています。お恥ずかしい。おむつなんかももうないんですがねぇ。どうやったらこんなに減らせるんだろう。

昭和初期のような暮らしを現代の東京で実践しているアズマカナコさん。ご存知の方もたくさんいらっしゃると思います。

電気代が月に500円代って!!それで気になったという方も多いのではないでしょうか。東京の、しかも普通の住宅街で、烏骨鶏を飼ったり家電がほとんどない暮らしをしていたり…。そんなことってあり得るの?と思ったら案外普通にやってたという話。

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私にできる?いいや無理

当たり前にある家電がない。お風呂の残り湯どころか雨水をトイレに使っている。服や持ち物も必要なだけを手入れしながら使う。

戦後、高度成長期が始まるまでの本当にモノが無かった頃の時代の暮らしがこんなふうだったのかなと。

はっきり言って、洗濯を手洗いで、トイレの水を雨水で、炭で暖をとる、というのはすっごくめんどう。毎日は無理。非日常のエンターテイメント級のことだと思っちゃいます。

我が家は5人家族です。手洗いで洗濯したら、一日中洗濯してないといけないかも!嫌だ!!私には他にもやりたいことがあるし!!!と全身で叫んじゃう。

いや別に、こんな暮らしをしろとは誰からも言われてはいない

「嫌ならしなければいい」それだけの話で、アズマさんもみんな私を見習って!と言っている訳ではありません。

アズマさんの場合、これらのことを節約や、何か別の事のためにされているんではないということが一番のポイントなのかなと思います。こんな暮らしがしたいから私はそうしている、ということだけなのですよね。

真似している事

本を読んで、すぐ真似したのは雨水の再利用です。我が家にも使っていないバケツがたくさんあるので雨が降りそうな時をねらって、ズラズラとバケツを並べています。花の水やり程度には十分に使えます。

アズマさんのお宅は、雨どいから直接取り込む形の雨水タンクも使っているようですが、私もつけてみたいなあ。

というのも数年前、台風の影響で私の住んでいる地域は床上浸水したり、土砂崩れが多発したりということがあり、その影響で丸二日間、断水になりました。たった二日。

でも、ものすごく大変でした。特にトイレ。トイレにこんなにもたくさんの水を使っていたなんて知らなかった。トイレの水なら雨水でも問題ないので、災害用としてつけたいなと思います。

後は生ごみの処理です。我が家は田舎なので土に埋めるタイプのコンポストを設置済。祖父が設置していたのですが、生ごみを捨てに行くのがめんどくさくて…最近は使っていませんでした。今は生ごみ、捨てに行っています。10歩の距離なんですけどね…。

今年は畑を始めて、我が家の自給率を高めたいので、早くたい肥になって欲しいです。

SDGs(持続可能な開発目標)、国際社会共通の目標

SDGsという言葉を目にする機会が増えてきました。

持続可能であることを考えるということは、モノを長く使うとか、消費電力をなるべく少なくとか、ゴミを減らすとか、フードロスを出さないようにとか、身近で今日から始められる事もたくさんあると思います。

アズマカナコさんのような生活を全ての人がする必要はもちろんありませんが、こういう生活も出来るのかと知るだけで意識が変わる方がいると思います。そんな生活に憧れるという方もいるでしょうしね。

こんな人にオススメ

環境問題に興味がある

電気・ガス・水道代を極限まで節約したい

なんでも自分の手でやってみたい

自分はこれをしたいからすると言って、極端に走っていけるアズマカナコさんに強い羨望を覚えます。何にしたって極端に走れる人は凄い。私は真ん中で中途半端に迷ってばかりいます。

アズマカナコさんの他の著書

「電気代500円。贅沢な毎日 」

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「昭和がお手本 衣食住」

昭和がお手本衣食住 捨てない贅沢3 [ アズマカナコ ]

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「節電母さん」

節電母さん [ アズマカナコ ]

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「捨てない贅沢」

台所コスメ 捨てない贅沢2 [ アズマカナコ ]

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「布おむつで育ててみよう 」

布おむつで育ててみよう [ アズマカナコ ]

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「かわいいマスクがいっぱい! かんたん手づくりマスク 」

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【感想】「校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール」西郷孝彦

この本をオススメしたい人

学校に行くのが嫌で嫌で苦しいと思っている学生さん、その親御さん、学校の先生、教育委員会の皆さん、小さい子どもがいる人、今とこれから学校に関わるであろう人みんな。

そして、学校という存在がこれからあるべき姿はどんなものであるのか、気になる人。

制服も校則も定期テストもない学校がどのように運営されているのか興味ある人。

校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた [ 西郷 孝彦 ]

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感想(3件)

どんな本?

私がこの学校の存在を知ったのはNHKの番組で、でした。

こんな学校あったんだ!しかも公立!しかも民間からではなくて普通に教師から校長になった人!の下で。

この学校はないものづくし。

制服ない・校則ない・定期テストない・登校時間も決まってない・教室に絶対にいる必要はない・チャイムならない・先生の怒声もない…。

校長室にはいつも生徒が入り浸っている…。

気になりすぎて色々調べてみて、この本にたどり着きました。

西郷校長が教師生活の中からどうやって今のような考えになったのかという事、荒れた学校で規則でガチガチだった桜丘中学が今に至る経緯、新しい学校の在り様がこの桜丘中学から広まっていって欲しいものです。

校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた [ 西郷 孝彦 ]

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感想(3件)

 

この本で分かるコト

  1. 校則・制服・定期テストをどうやってなくしたのか
  2. トップにならなきゃ変えられない
  3. 学校におけるソフト面のユニバーサルデザイン

1.校則・制服・定期テストをどうやってなくしたのか

西郷先生は、2010年に校長として桜丘中学に赴任しました。当時は、学校関係者からいわゆる”元気な中学校”と言われる学校であったそう。

朝礼では先生たちの怒声が響き渡り、教員と生徒は一触即発…、軍隊のように生徒を押さえつけて秩序を保たせようとしていたと。

特に初年度の修学旅行の話が面白くて(面白がってはいけないのだろうけど…)、京都駅の構内で生徒たちに怒鳴っている教員の方がよっぽど周囲の迷惑で、正直恥ずかしかったという西郷先生の正直な気持ちが好きです。

こういう状況は、現在でも他の学校では当たり前にある日常なのではないかな、と思います。

そこで、西郷先生は何をしたのか…。まずは、朝礼で騒いでも注意するのをやめました。生徒が騒ぐのは自分の話がつまらないから、だからと。

生徒が聞いてくれるような話を準備して、「上から目線で生徒を威圧するのはやめましょう」と言い続け、徐々に怒鳴り声は減っていったそうです。

これは単に、怒鳴らなくても朝礼が静かになって良かったね!という話ではありません。

教師の側には、朝礼ではきちんとさせなければいけないという暗黙のルールがあり、生徒の側は静かにしていなくては先生に叱られるから静かにしようとする。

さて、なぜ朝礼では静かにしなくてはいけないのだろう?と考える人はこの両者にはいません。なぜ静かにしなくてはいけないのか…、先生にも生徒にも自分で考えてもらいたかったと西郷先生は考えているのです。

それと同じ事が制服でも、言えます。靴下の色は校則で白と決まっていました。なぜ白なのか、セーターの色はなぜ紺なのか、派手ではない恰好とは何か、中学生らしい服装とは何か…。西郷先生と、生活指導主任の先生とのやり取りがコントみたいに思えてきます。

制服でなければいけない理由が誰にも答えられないのならば、制服を着る意味はありません。そうやって、靴下の色から一つひとつ疑問視していき少しずつ校則を変えていって、今では校則が全てなくなったのです。

ただひとつ、校則がないからと言ってなんでもありではもちろんありません。桜丘中学校では学校の窓ガラスを割ってしまったような時には故意であろうがなかろうが、弁償です。

生徒が教員に暴力を振るっても、先生が生徒へ体罰をしても傷害事件として警察に届けるのだそうです。何かが無くなった時も警察です。

こういう事は社会に出れば当たり前のことですが、学校に警察を入れる事を学校は本当に嫌がりますよね。学校だからといって、なぜそれが許されるのでしょう。

2.トップにならなきゃ変えられない

西郷先生は、民間出身の校長ではありません。ずっと、教員をやってきて校長になり桜丘中学校に赴任しました。

教員生活の中で、ある校長先生がまだ若かった西郷先生に学年主任を任せ、ことあるごとに教育関係者や教育委員会の人にも引き合わせてくれたのだそうです。それがなければ、教員としての勉強をしたり、校長を目指そうと思ったかどうか…と書かれています。

結局、管理職でなければ何かを変える事ができないのはどんな組織でも同じだと思います。だから、桜丘中学でも若い先生にどんどん大役を任せ、「将来、管理職を目指しなさい」と言い続けるのだそうです。校長や、教育委員会でも教育界を変える事ができます。

桜丘中学校で生徒に素の人間力で向かい合っている先生たちが、全国に散らばって日本の教育を変えて欲しいと本当に思います。

3.学校におけるソフト面のユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインというのは皆さん知っていると思いますが、高齢者や障害のある人も使いやすい空間や製品のデザインという事です。エレベーターやエスカレーターは、障害のない人にとっても便利なモノだし、結果的にどんな人にも使いやすいデザインになります。

それを学校にも取り入れようという事なのですが、それを学びのユニバーサルデザインなどとも呼ぶそうです。

発達障害、知的障害、帰国子女、不登校、など「困難を抱えている生徒」に合わせた教育が、誰にとっても学びやすいという事になるのではないかという事です。

例えば、桜丘中学では教室の前方の壁には掲示物を貼っていません。発達に特性のある子からすると、その掲示物に気を取られ授業に集中できなくなったりするためです。

これは、そのような特性がない子にとっても、より集中しやすい環境になっていると言えると思います。

他には、「ディスレクシア」という文字が読めない障害を持ったFくんのために読み上げソフトが入ったタブレットの持ち込みを許可して欲しいという要望があった時の事。

Fくんは自分の校区の中学からは持ち込みを断られ、桜丘中学に相談にきていました。西郷先生は、Fくんにはタブレットが必要⇒でも特例で認めると他の子から文句が出る⇒とりあえずF君のクラスは全員タブレット持ち込み可にするという処置をとりました。

始めは他の子もタブレットを持ってきてゲームをしたりしていたけれど管理が面倒なので、結局必要のあるFくん以外は調べものなど特別な場合を除いて持ってこなくなったのだそうです。

そして、この件をふまえて全校持ち込み可になりました。結果としてFくんだけでなく、他の子にとっても学びやすい環境になったと言えるのではないでしょうか。調べものにはタブレットなどは大変便利なのですから。

学校は人を思考停止させる場

この本を読んで考えたのは、一体いつの時代に作った制度を、何のために後生大事に変えずに今まで機能させているのだろう…という事です。なぜ制服を着るのか、なぜ一糸乱れず整列させるのか、なぜ面白くない授業を面白くないと言ってはいけないのか、なぜ先生の言う通りにしなくてはいけないのか…。

考えた事なかった…。私は先生を困らせない良い子ちゃんだったので、完全に思考停止していました。先生の側も思考停止。

学校って人を思考停止にさせる場所なの?先生のいう事を聞く、勉強ができる子が優等生です。優等生ってなんや。何に対して優等なんや。

思考停止から我が子を守りたい

今の社会では誰かの言う通りに動くだけみたいな、そんな人材求められていないし、これからはもっともっとそうなります。

親の世代が通った学校と、いやいや祖父母の世代が通った学校とほぼ同じなんてそんな事どう考えてもおかしい。

自分の子どもも桜丘中学校に通わせたいけど、そんな学校近くにはありません。家庭で思考停止の呪いから子どもを守るしか今のところなさそうです。

校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール 定期テストも制服も、いじめも不登校もない!笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた [ 西郷 孝彦 ]

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社会学者 宮台真司さんの本 クズなコスパ野郎って一体…

口の悪いおじさん

「いいね!ボタンがたくさんつくアートはクズだ。」と言っているおじさんをWEEKLY OCHIAIの宣伝で見かけて、「だれ?このおじさん。」と思ったのが最初。

それが、社会学者の宮台真司さん。恥ずかしながらその時初めて知りました。言っている事が衝撃的で面白すぎて完全にハマっています。著書も本当に多いので、何から読めばいいのか迷いました。

youtubeにも動画たくさんあるのですが、宮台さん博識すぎて、内容のレベルが高すぎて理解できない事もある…。もっともっと、知りたいなと思っています。

宮台さん的に言うと、私はクズなコスパ野郎にはなりたくないし、子どももそう育てたくないという事ですね。

これから日本はどうなっちゃうの?と思っている方は、読めば読むほど答えが見えてくると思います。私は、少なくとも今自分がやるべきことと、未来に対する覚悟ができてきました。とりあえず、4冊ご紹介。また増やしたいと思います。

「ウンコのおじさん」 宮台真司 岡崎勝 尹雄大 ジャパンマシニスト社  2017.12.19

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 表紙にも書いてあるように子育て指南本です。割と優しい言葉で書いてます。宮台さんは、まだ小さい子どもさん3人のパパです。奥さんは20歳年下らしいです。

今子育てしている人皆に、とりあえず読んで欲しいと言いたいです。読んで良かったと私は思いました。

親が子どもを抱え込む=コントロールすると、どういう子になるのかという部分。特に母親ですが、私の周りでも子どもを自分の思い通りにしたいと思っているなーと感じる場面は多々あります。私自身にもあるかもしれないと、省みる機会にもなりました。

結論だけ言うと、親が子どもをコントロールする事が家庭内暴力やひきこもりの原因になるということ、親が子をコントロールする事は愚であるという事です。なぜ、家庭内暴力などにつながるのかは、本に詳しく書いてあるので読んで頂きたいですが、ものすごく納得しました。

後は、近代の社会というのは合理化が進んだ社会であり、その合理化が暮らし全体にまで及んでしまって、政治や性愛、教育までも合理化=「コスパ第一」「リスク回避」しようとした結果、損得だけを重要視するコスパ野郎がまん延しているという話。

ゾオーっとしました。なぜか。自分の中に損得を考えているコスパ野郎を発見したからです。その事に気づかず今まで生きてきたのかしら。今、私の中では世界の見え方が変わってきています。こういう、面白い事があるから読書はやめられないです。

そして、コスパ野郎を内在した私が既に人の子の親であるという恐怖。クズがクズを再生産(笑)しないために出来ることは何か。

それは「体験デザイナー」になれ、という事。人知を超えたものへの恐れと憧れによる動機づけを子どもに与えよ、という事なんですが…。私の解釈では、自然の神秘さ・不思議さを体験させる事で、好奇心や探求心を子どもに発動させて、法や合理化の外側の世界を見せろという事なのかなと思っています。

それと宮台さんのオススメである「1960年代コンテンツを見る」という事を、子どもとさっそく試しています。60年代放送の白黒のアニメ「鬼太郎」を見ているのですが、めっちゃ面白い!子どもも興味持ってます。私が調べた限りでは、東映オンデマンドでしか見られないようです。1話だけ無料で視聴できますよ。


「14歳からの社会学」 宮台真司 世界文化社 2008.11.25

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 横書きの本。左開き。14歳向けを意識してこうしているのかな。横書きなら読んでみようという子がいるのかしら。

読後の感想としてはまず、「これ自分が14歳だったら絶対全部読めない…」ですね。繰り返し何度も読み返して…みたいな事書いてありましたが、十分すぎる程大人な私が読んでもイマイチ理解できない所あり。

これを14歳で面白いと思える子はとてつもない秀才だと思う。全部はわからないけど、なんか面白かった、という感じでもいいのかもしれないけど。

所々、読みやすい部分もあってそこだけを拾って読むのでもいいと思います。全て、完全に理解できる本なんて読む意味ないですからね。

しかし、14歳の時点でこういう話をおぼろげながらでも理解していると、その後の人生を本気で生きられるようになるだろうと思うので、いいなあと思います。

周りの大人たちの、損得を考えた建前の話ばかり聞かされている子どもたちは、これを読んでナルホドね、と思って欲しいです。

自分が得する事ばかりを考えて生きていたら、最期は孤独に死んでいくことしか待っていない。お金はたくさんあっても、誰も寄ってこない。そんな人間にはなりたくないなー。

面白い小見出しをいくつか並べます。

自分に「価値がある」と思えるか

マナー違反を注意できないわけ

「両親は愛し合っていると思うか?」

近代学校教育のモデルは軍隊と監獄

「仕事で自己実現」の考えを捨てろ

「君に向いた仕事なんてあるの?」

「人のために」が一番よくない

「スゴイ」と直感してものを学ぶ

<世界>に直接ふれた時の感覚

かつての14歳は、これを読んですごくビックリしました。社会って、世界ってそういう事だったのか!と。私は今まで何をどうして生きてきたんだろう。こんなことも知らずに。

今の14歳にもかつての14歳にもオススメです。

『「絶望の時代」の希望の恋愛学』 宮台真司 KADOKAWA/中経出版 2013.12.25

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 宮台さんはナンパをフィールドワークとしてしてきたらしいのですが、そのナンパに関するお話し。ナンパってここまで高尚な話になり得るの?と驚愕して驚嘆。

私が知りもしないし、想像もしない世界が展開されていて本当によのなかって面白いなあって感じです。興味のなかった世界がこんなに深くて面白いなんて…。あーわかんない。

「学校的日常を生き抜け」 宮台真司 教育史料出版会  1998.04

学校の中だけではなく、地域も家も学校化してしまい、子どもたちは息苦しくなっている。自分の周りのほとんどの世界が学校の中の様な価値観を求められるって苦しいですよねー。

空間的、時間的な学校化というのは75’~79’にまん延したと宮台さんは書かれているので、私は学校的日常の中育ったという事になります。確かに、そんな空気だったなあ。ボーっと生きてきたので死ぬほど苦しいなんて事はなかったけど、高校を卒業した時本当に清々したの覚えています。

私の中で、きちんと認識も言語化もできていなかったモヤモヤとしたものを宮台さんは全て言葉にして並べてくれるという感じがあります。

私が学生だった頃はまだ、学校化の中で点数至上主義や協調性を高める事を追い求めても意味があったかもしれませんが、今の子どもたちには全くあてはまりませんね。むしろ害でしかないんじゃないの?と思います。小さい子を持つ親としては、非常に有難い子育ての指針です。