【感想】2030年の世界地図帳 落合陽一

落合陽一さん

メディアアーティスト、筑波大他の先生、会社の代表、など数えきれない顔を持つ落合陽一さん。難解な著書もたくさんありますが、この本はとても簡単。高校生くらいから読んで欲しいな。

2030年はそう遠くない

誰も想像し得なかったコロナ禍が終わろうとしているこの世界で、数カ月先もどうなるか分からないって人も多いと思います。

半径10メートルの世界で、自分の事だけを、今日明日の事を考えるだけで精いっぱい。

そうなると視野が狭くなる。どんどん追い詰められて行ってしまう。もっと大局を見たい。もっと過去も未来も見たい。なぜ今ここがこんななのか知りたい。

これを読んでも、今日明日の世界は変わりません。でも、世界の今とこれからのはじっこが見える。これからを考えるベースを手に入れられる。

これをヒントに、これからの身の処し方を考えるヒントになります。子育て中の親も、子どもに対して前時代的な価値観を押し付けなくて済むかもしれない。自分の世代に当たり前だったことは今の世界では通用しない事が多いと分かるから。

止まっているのは日本だけ

世の中は静かに変わっていっている。昨日、途上国だった国は今日すでに日本のすぐ後ろにいる。もしくは前にいる。日本が変われないでいる間、世界はこんなにも変わっていた。当たり前ですよね。

図やグラフがたくさんで分かりやすい

今の世界を、グラフや地図にして感覚的に分かりやすくしたたくさんのデータを基に解説しているのでとてもつかみやすいです。グラフや地図の所を小学生と一緒に眺めるのも楽しそう。三年生以上なら学校で社会も始まっているし、興味を持つかもしれません。どんなグラフだよと、大人が補足してあげれば分かると思います。

本文は、2030年の世界を予想して、重要になるだろう5つのテクノロジーや4つのデジタル・イデオロギーなど「なるほどー!!」と思うことたくさん。

SDGsの事を知りたいと思う人にもうってつけの本と思います。

私は特に、「サードウェーブ・デジタル」として紹介されている、インドやアフリカ諸国におけるデジタル化の話が興味深かったです。その中でも、アフリカでの通信インフラの建設の方法。電話網や、送電網がそもそもない中でどのように通信インフラを整えるか…?相当柔軟な発想が無ければ出来なさそう。でも楽しそう。

落合さんがこの本を通じて一番伝えたかったことはたぶん、第4章の終わりに書かれていることです。これからの日本は、どのようにすれば世界の中の存在感を維持できるのか。この本を読んで、落合さんのメッセージをより多くの人に受け取ってもらえたらいいなと思います。まあ、単純に私は面白かったです。

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望 [ 落合 陽一 ]

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