【感想】「整う食事」豊永彩子 タンパク質でムダ食い、不安、甘いもの依存が消える

この本をオススメしたい人

病気なワケではないけど、体調が良いと思える日が少ない

「不安」を強く感じる事が多いし、ついネガティブに考えがち

健康的に痩せたい

ついつい甘いものをたくさん食べちゃう

忙しくて食べるのを忘れがち、もしくはたくさん食べすぎ

特に、女性で閉経前の方は上記のような事に当てはまらなくても読んでみて欲しいです!

どんな本?

「整う食事」豊永彩子 実業之日本社 2020.2.10

フリーランスの管理栄養士である豊永さん。

多種多様な生活スタイルがある中で、誰にでも当てはまる方法があるワケはなくて、「自分に必要なモノは何か判断できて、自分ができるやり方で、楽しく食事をする」事ができるようになるのが大切!という結論に達したそう。

この本を読めば、そのために何をどうすればいいのかがよく分かります。

無理な食事制限を一生続ける事はできないし、何より楽しくない!

整う食事 たんぱく質リッチでムダ食い・肥えグセ・不安が消える! [ 豊永 彩子 ]

価格:1,430円
(2021/2/8 10:55時点)
感想(2件)

この本で分かるコト

  1. タンパク質が大事なワケ
  2. 食事を整える小さな一歩
  3. 食事を整える目的

1.タンパク質が大事なワケ

人のエネルギー源は主に糖質。これは知っている方が多いと思うのですが、糖質はそのままではエネルギーとして体の中で使う事は出来なくて、体内でエネルギー物質(アデノシン三リン酸)に変換されてはじめて使う事ができるようになるそうです。

その変換の時に、鉄や亜鉛、ビタミンB群が使われるという事なんです。要するに、たくさん糖質を摂っても、ビタミンとミネラルが不足しているとエネルギー変換されなくて、もっともっと糖質を求めてしまう…という事。

特に鉄は重要な上に、女性は月経によって鉄を失いやすいので鉄不足は簡単に起こります。鉄は動物性タンパク質に多く含まれており吸収率も植物性よりも高いのです。

タンパク質を摂ることで、鉄が供給されエネルギー変換がスムーズになり、糖質への欲求も治まるとしています。

2.食事を整える小さな一歩

食に気を使いたいのはやまやまだけど、忙しいしハードルも高いと思うのは、私だけではないはず。そんな人のために、簡単な事からできる提案がたくさんあって、めっちゃ助かります。本当に今日からできる事ばかり。

例えば…

コンビニやスーパーで惣菜や出来合いのものを買うなら、刺身や焼き鳥、ローストビーフに焼き魚、ゆで卵などなど。これすごくいいですよね。すぐに食べられるし、カロリーも抑えられるし、お値段は高めになってしまいますが「変なモノ食べた…」と罪悪感がないのも良い。

豆腐にシラス、キムチ、桜えびに、チーズ。これもお手軽だし、なによりおいしそう。食べたい。かつお節もいいですよね。お魚だから。

後は、缶詰に頼る!今流行のサバ缶も、ツナ缶も、イワシの缶詰なんかも!

カイワレ大根スプラウト系、ベビーリーフなんかも洗って出すだけでもオッケーなのに栄養価高いそう。

本当に手の抜きどころは色々あるんですね。ほかにもたくさん本には載っているので参考になります。

3.食事を整える目的

なんとなくやってみる…という状態では何事も長続きしないし、モチベーションも上がりません。健康のため、ダイエットのため、食事を整えたい!でも良いですが、もう一歩踏み込んだ目的があればもっと楽しく続けられるはず。

食を考えるのは生きている間はずっと続くことですから、楽しくやりたいものです。どうして健康を維持したいのか?どうしてダイエットしたいのか?

じっくり考えてみて、自分なりの答えを出してから行動すれば、きっと達成しやすくなると思います。

私の、食事を整える目的

貧血があって、遊びでも何でもすぐ疲れてしまうので、疲れにくいカラダが欲しい。貧血を解消して、不安感が減るといいと思う。5キロくらい太ってしまって、喪服がパツパツ。買い直したくない(笑)ので、元の体重まで筋肉をつけつつ戻したい。最近、喪服をきる機会が多くて(涙)

あなたが、食事を整えたいと思ったのはなぜですか?

そこから考えると、スムーズかもしれませんね!

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感想(2件)

 

 

【感想】「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎

君たちはどう生きるか吉野源三郎

マガジンハウスからマンガ版が発売され半年あまりで200万部突破というベストセラーになりましたね。池上彰さんや、宮崎駿さんも愛読していたそうです。

コンビニでも見かけます。もともと難しい言葉で書かれているわけではありませんが、マンガになると、より幅広い層の人が読んでくれるのでしょうね。小学生でも分かりやすそうです。

「作品について」より要約

もともとこの本は「日本小国民文庫」の中の一冊です。この文庫シリーズは、1935年に山本有三の「心に太陽をもて」が出てから、だいたい毎月一巻ずつ発売され1937年に出された、この「君たちはどう生きるか」で完結しています。

美智子様も読んでいらしたとか。というか、当時の学生たちは、このシリーズくらいしか新しい本を読めなかったのかなあ、と思います。

1935年というのは国内で軍国主義が日ごと強くなった時代であり、世界でもムッソリーニヒトラーが政権をとり暗雲が立ち込めていた時代でもありました。

出版の自由が制限されていく中で、少年少女たちに自由で豊かな文化を伝えたいと創刊したのだそうです。「君たちはどう生きるか」も山本有三が書くつもりでいたのですが、目の病気になってしまったため、吉野さんが書いたということだそうです。

子どもたちのために

軍国主義が生活の中にもしみ込んでくる毎日というのは想像するだけで恐ろしいです。読みたいものも読めない。言いたい事も言えない。そんな現実を私の祖父母の世代は経験してきたのだと思うと他人事には思えません。

特に子どもたちは、その時にあるものしか知り得ません。軍国主義のみしかなければ、それしか選択肢はないじゃないですか。他の文化や考え方もあると大人が教えてやらなければ。

存在自体を知らない物事を、知ろうとするのはとても難しいことです。知らない事は、その人にとって存在しないのと同じです。

太平洋戦争が始まってからはこの本ですら刊行できなくなったそうです。自分たちも含め、この先の世代にもそんな経験はして欲しくないなぁ。まあ、今はインターネットがありますから、同じ状況というのにはなりにくいのかなとは思いますが。

本の内容

内容は、コペル君こと中学二年生の本田潤一が母方の叔父さんとのふれあいの中や学校生活の中で感じた事と、それにこたえる叔父さんのノートという形式で進んでいきます。

モラルについてだけ書かれている訳ではなく、社会がどのように成り立っているかや、人や本が言っている事を鵜呑みにせず自分の頭で考える事などなどが中学生のコペル君に身近な題材をとって、分かりやすく展開していきます。物語の形なのもとても読みやすいです。

精読しなくては…反省

さらっと読めてしまうのだけれど、本当の意味を理解するのはかなり難しそうです。私も今回この本を見返してみて全然理解できてないと分かり、アゴがはずれそうになりました。やはりただ読むだけではだめですね。

何冊読んだと自慢してみても、この一冊もきちんと理解していないのなら何の意味もありません。それこそ時間の無駄。大反省中です。とにかく、読み直します。

まだ読んだことがない人も、大昔に読んだきりという人も、時間がある今こそ読んで、この普遍的で、誰にでもある問いに向き合ってみるのもいいんではないでしょうか。

あなたはどう生きるのか。

【感想】「脱力系ミニマリスト生活」 森秋子 面白くて、ちょっと切ない毎日の幸せ

「脱力系ミニマリスト生活」 森秋子 

大人気ブログの「ミニマリストになりたい秋子のブログ」を書かれている森秋子さんの1冊目の本です。毎日ブログを読ませてもらっていますが、ほぼ毎日更新されているのがすごい!

ブログの内容と重複している部分ももちろんありますが、やはり本の方が読みやすいです。写真も少し載っています。

異色のミニマリスト

秋子さん、私は大好きなんですよねぇ。言葉を選ぶ感覚が独特で、思わず笑ってしまう。同じことを普通に書いても何の面白味もないですが、秋子さんが書くと何だか可笑しい。

そして違う角度から物事を見るのが上手いので、いつもそんな考え方もあるか!!と気付かせてくれます。
本の内容としては、ミニマリスト生活というタイトル通り、物の減らし方、やめた事、やらない事の紹介が主です。私がこれいいなと思ったことは、

・中古品を買うこと
カタカナ語翻訳
・一汁三菜を捨てる
・家族レジャーを捨てる
・お茶とピアノを習う
・エア離婚

と、こんな感じ。
箇条書きしただけで、面白いものもありますね。

中古品を買うこと

秋子さんは家も、家具も、洋服も、食器も中古で買われています。家を中古で買ってリフォームして、というのはテレビや雑誌などでも取り上げられていたりしていたので知っていて、いろんな選択肢があるのは良いことだなと思っていたのですが、家具や洋服などをリサイクルショップで買うというのは少し前まで考えた事もありませんでした。

というのも、私は田舎に住んでいるのでリサイクルショップというものが近くにないということ、リサイクルショップは何だか胡散臭いというか入りづらいというか、そういう勝手なイメージがあったということ、この二つがあげられますかね。

でも秋子さんの一人掛けのソファのステキなこと。国産の高価な家具ブランドのものなのに相当なお値打ち価格で買われています。買い物上手!!

そんな出会いがあるのが中古品を買うことの楽しさなんでしょうね。見る目を養いたい。

なんとなく抵抗があったリサイクルショップの洋服ですが、やはり安さは魅力的。よく考えたら学生時代はおしゃれ古着が好きでよく着てました。それと同じですよね。しかもお安い。

この本を読んだ後、隣の市で見つけたリサイクルショップで、ジーンズとガラスの器を買ってみました。リーバイスジーンズ130円、ガラスの器1つ100円を4つ。

ガラスの器は、夏の間アイスやかき氷を食べる時に毎日のように活躍してくれました。が、ジーンズは少しきつくて。まあ大丈夫かと思ったんですが、やはりダメでした。反省。いくら安いといっても、少しきついものを買ってはいけません。

メルカリに代表されるサービスが普及して、中古品を手に入れる方法が多様化した今では、自分の好みに合った中古品を探すのもラクになってきたのでは?と思います。

ほぼ安い中古品で揃えても、おしゃれな部屋というのはありますしね…。結局センスの問題なのか…。

お茶とピアノを習う

自分が親になって、30代になってみると何かを教えてもらうという事がほぼ皆無になりました。初めての経験というもの自体が減るし、それを無意識に避けているような気もします。その方が楽ですから。

だから、習い事を2つもしている秋子さんを尊敬しています。ピアノの方は子どもさんと一緒に習っているので、子どもと同志のような関係性になれそうだし、お茶は着物を着られるのがいいなと思います。

着物に興味があって、一人で着られたらかっこいいなと漠然と思っているのですが、やっぱり敷居が高いしお金が掛かるんじゃ?と思っていました。

確かにお金が全くいらないというわけではないと思うのですが、探せば手ごろな教室も道具もあるのかもしれないと感じました。着物は祖母や母のものが、少しですがあるのでそれをやりくりして。そんなことを考えているとワクワクしてきます。

何か新しいことを始める、それも文化的な何か。世界は私が知らないことで出来ていて、それを知識としてではなく体験として知ることができるって楽しそうだなと思いました。

エア離婚とカタカナ語翻訳

これこそ秋子さんの真骨頂です。とにかく読んでください。バカバカしいと思うと思いますが、バカバカしいことでも考えてないとやってられない日常もあります。

自分の幸せ

現代はいろんな情報を簡単に手に入れられます。隣の芝生は青いどころか、地球の裏側の芝生だって青いです。億万長者もいるし、ギリギリの生活をしている人もいる。

だけど、そういう極端なふり幅の人たちよりも、少し無理をすれば手が届きそうなお金持ちが気になってしまう。私もそれくらいできる、買える、持てる。

自分ではない他人の価値基準に付き合っていると疲れるし、自分が何を大事にしたいのか分からなくなってしまいます。

お金がたくさんあっても、時間が余るほどにあっても、幸せでない人はいます。何のためにお金を稼ぐのか?なんのためにモノが欲しいのか?何のためにそれをしたいのか?「幸せになりたいため」なのかもしれません。幸せになるために生きている。

何が自分の幸せなのか、と考えると意外とすぐに出てこなかったりしませんか。それは、もうすでに持っているものだからなのかもしれません。

秋子さんの文章を読んで、そんな風に考えました。

こんな人に読んでほしい!

家事と育児と仕事に疲れ果てたお母さん。

こうあるべき!にがんじがめらめで、自分の首を絞めちゃってる気がするあなた。

とにかく時短でラクな家事への一歩は自分の思い込みを解くことから、この本を読んで解き放たれてください。

秋子さんのブログ

ミニマリストになりたい秋子のブログ」

この本を出した当時は月刊PV150万だったようです。今はもっと多いのかな?公開はされていませんね。

 

 

【感想】「なんで僕に聞くんだろう。」幡野広志 ガンと写真と人生相談

この本をオススメしたい人

昔から、ガンになった人の書いたものに反応してしまう。その人そのものが、ガンになった生活を書くことで大きく浮かび上がってくる。それも、これ以上ないほど突き詰められた状態で。

その極限をみる事で、今度は自分自身に突き付けられる。お前はこんな風に生きられてるのか?って。

病気にならなくたっていつ死ぬか分からないのは皆同じはず。

ガンになったおじさんに、人生相談って…なんで僕に聞くんだろう。秀逸なタイトルだと思うんです。確かにそうだよねって。そこに納得してくれた全ての方にオススメです。

どんな本?

「なんで僕に聞くんだろう。」幡野広志 幻冬舎 2020.2.5

写真家である幡野さんは2017年34歳で多発性骨髄腫を発症し、余命3年と宣告されました。長男が誕生した矢先。治る見込みはないそうで、あと数年の命だと覚悟されています。

ガンになった事を公表すると、励ましや宗教の勧誘、健康食品や高額の治療法の勧誘などにまじって、少なくない量の人生相談のメッセージが届いたそう。

ツイッターで答えてはきたそうですが、字数制限がある中で答えるのは難しいという事で、webメディアであるcakesにて連載を開始。この本はその連載の中から選び、加筆修正した37の人生相談とその答えです。

答えは厳しいものも優しいものもありますけど、全て自分の息子さんが相談して来たら…と仮定して答えているそうなんですね。だから、ものすごく相談者さんの事を考えているのが分かります。

幡野さんから、将来の息子への手紙という一面もあると思うと泣けてきます。

しかし、語り口が本当に面白い!

恋愛や不倫の相談が多いらしいですが、不倫の相談などは不倫しまくっている知り合いのお坊さんを紹介したいとか…吹きました。

写真もあいだにあります。装丁もシンプルで格好いいので、ぜひ手に取って頂きたい!

この本で分かるコト

  1. 批判と非難は全く違う
  2. 病気になった家族にどう接すればいいのか
  3. 波乱万丈マウンティングはつまらない

1.批判と非難は全く違う

批判・・・「それ」について知らないからこそ起きるもの。「疑問」のようなもの。

情報発信や作品についての批判は、精度や質を高める養分。批判に反論できるようになると良い。だが、反論しても相手が納得することはまれ。その内容を周囲の人に理解してもらうために反論すると自分が伝えたい情報がより多くの人に伝わる。

非難・・・中傷や、批判のように見える巧妙に隠された妬み、批判より圧倒的に多い。

「うらやましい」が「ズルい」や「ムカつく」に成長してしまうと、非難になってしまう。

そうやって、非難してくる人に対してどんな対応をすればよいのか…。ちゃんと答えを出してくれています。

2.病気になった家族にどう接すればいいのか

ガンのような病になっても、すぐに死んでしまうというのはマレな事だと思います。闘病の間、毎日顔を合わせる家族にとれば励ましたいと思って口にしてしまうかもしれない「頑張れ」という言葉。

やはりそれは、言っちゃいけない言葉なのだそうです。言う方には悪気がない事がほとんどでしょうけど、そういう言葉が一番人を傷つけるものかもしれません。

じゃあどう声を掛ければいいのか?それは、自分で探しなさいと幡野さんアドバイスしています。病気になったとか関係なく、家族はどうして欲しいと思っているのか考えてくださいと。

「頑張れ」という言葉は家族にとっては、「私のために頑張って欲しい」という事なのかも知れません。本人はどう思っているのか良く聞くことが先決ですね。

いざという時できるかな…。できるといいな…と思うし、家族もそうしてくれればいいな…と思います。

3.波乱万丈マウンティングはつまらない

波乱万丈マウンティングしてくる人って、結構たくさんいるんですかね。そう言えば、私の周りにも何人か…。確かに波乱万丈話はつまらない。それにその話もう100回は聞いてるしね。

聞いて欲しければ、面白い話にしてって、本当にそう。

悩みがある人もない人も

読んだら考え込んじゃいます。なんで、この年でこんなに多様な事にきちんと答えられるのだろうって。誰でも口にしそうな一般的な言葉ではなく、本当に質問者さんの事を考えて答えられるのだろう。

私はこんな事を考えて生きていない。明日も明後日も何年先もずっと元気で生きているという前提のもとに今日を生きているから。未来に向かって生きているから。

それはアドラーが言うように人生最大のウソなのかもしれません。全ての人には今しかない。私にも。幡野さんにも。あなたにも。