【感想】年収90万円で東京ハッピーライフ 大原扁理 FIRE ミニマリスト 隠居
中田敦彦のYouTube大学でやってたから再読した人~
何を隠そうそれは私…。この本は2016年に出版された、大原扁理さんの2冊目の本。ずいぶん前に読んでいたので、結構忘れてました…。
再読しても、古さや違和感は皆無。今読んでも面白い、というか発売時より今の方がより求められているかもしれません、こういう本。
年収90万円でハッピーライフ (ちくま文庫 おー72-1) [ 大原 扁理 ] 価格:814円 |
学校や社会にうまくなじめない
家庭環境もなかなか厳しい、学校でもアルバイト先でもうまくやれない…読んでる方からすると結構ハラハラします。こんなんで大丈夫なの?と。
特に中学時代のいじめが壮絶すぎて…。よくぞ耐えて生きのびてくれたな…と思います。結構ギリギリの綱渡りだったのではないのかな。それでも、大原さんには友達がいたし、学校と家庭以外の居場所があったから、なんとか。
しかし、なぜ学校や社会になじまなければならないのだろう。学校で先生に褒められる事が、社会に出てお金をたくさん稼ぐ事が、給料が良いとされている会社に入る事が、なぜ素晴らしいと思っているのだろう。
大原さんは多くの人が何の疑問もなく受け入れている「常識」をうまく自分の中に取り込めなかったのかもしれません。そしてそれを隠さなかったので、随分と生きていくのがつらい時期を過ごすことになってしまったと。
いきなり世界一周に旅立つ
高校を卒業して、最低限のアルバイト以外はひきこもりの生活を3年間続けたらアルバイトのマニュアルしか言葉が出てこなくなった大原さん(そんなことってある?)。やばいと思って、世界一周しよ!と思い立つ(そんなことってある?)。
まあでも、海外に行っても困らないという自信はあったのではないですかね。だって大原さん、学校でうまくいかないと言いつつ好きな教科は英語・国語・音楽。特に英語は高校では常に学年トップ。テレビを英語の副音声で聞いたりしていたそうで。海外に行っても言葉は大丈夫という自信はあったのでしょう。
しかし、それだけ英語できるならそれを使って仕事しよっとならないところが大原さんらしいというか、なんというか。ですが、得意なものだけ勉強するということは今の時代には合ってるかもなとは思います。突出した何かを持っているという事がこれからは武器になるのではないでしょうか。全てが万遍なく凡庸にできる事よりも。
隠居暮らしの詳細
そして、今の大原さんの隠居暮らしの詳細も書かれています。大原さんのような生き方をしたいという方は、この暮らし方の部分かなり参考になると思います。
隠居暮らしだからといって、霞だけを食べているわけではないし、着の身着のままなわけではないし、娯楽が何もないというわけではもちろんないのです。
自分が心地いいと思う暮らしを「常識」にとらわれず、一度考えてみるといいかもしれませんね。シーズンごとに流行りを追った服を自分は本当に買いたいのか?今欲しいと思っているガジェットは本当に必要なものなのか?
ただ宣伝に煽られているだけではないのか、マウンティングしたいがためだけに手に入れたいと思っているのではないか。
それで、本当に欲しいと思えば買えばいいのだし、いらないかもと思えばでは何が自分にとって心地いいか考えればいいのです。
働きたくない…って言ってもいいよ
働くのがイヤだ、なんていうと人から白い目で見られます。残念ながら。資産家の子でもない限り、生活保護でももらわない限り、働かないで生きていく事は確かに難しい。
でも、本当は働きたくないって思っている人は多いはずです。大原さんは、まったく働かないのは無理でも、必要最低限の生活資金を稼ぐだけなら、少し働くだけで済むのではないか、と言っています。
その考え方とやり方も詳しく書いているので、とても参考になります。
バリバリ働きたい人は働けばいいし、働きたくない人は最低限働けばいい。自由でいいじゃないか!というのが、意外に新しい考えだと思いました。いかに頑張るか、努力するか、金儲けするか、いいねを多くもらうか…みたいな本が氾濫する中で異色の本です。
同じように感じている人は、一読の価値ありと思います。
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【感想】在宅ひとり死のススメ 上野千鶴子 認知症 介護 介護保険
「在宅ひとり死」というパワーワード
上野千鶴子さんは1948年生まれの社会学者。東大名誉教授。ご自身は京大で博士になられています。
今では「おひとりさま」という言葉も当たり前に使われていますが、上野さんが2007年に出された「おひとりさまの老後」という本から始まったと言っても過言はないようです。
それからおひとりさまシリーズが続き、最新作がこの「在宅ひとり死のススメ」です。
在宅で…ひとり死…、それって孤独死とどう違うの?そもそもそんな事可能なの?
題名だけで色々疑問が湧いてきます。
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ひとり暮らしの高齢者は増えているし、これからもっと増える
ひとり暮らしの高齢者は年々増えているそうです。身近でも子ども世帯と同居というのは少なくなった印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
単身になった親を子どもが引き取らなければならないという風潮も薄れてきたように思います。施設に親を入れたとしても、みんなそうだよね、と特に批判される事も少なくなったのではないでしょうか。
ところが、政府としては在宅での介護を推進する方針であるようで…。それは、やはりお金の問題という事につきるようです。
ひとり暮らしの高齢者は本当に不幸なのか
高齢者がひとり暮らしと聞くと、寂しいのでは?とか話し相手もいないのは可哀そうだとか否定的なイメージがやはり湧いてしまいます。
しかしこの本では、それは違うというデータが紹介されているのです。限定的な調査ではあるものの、ある程度のお金がある世帯では、独居がもっとも満足度が高く、不安も少なく、悩み度も低いという衝撃の結果。
もっと衝撃なのはふたり世帯の満足度が最低だという事。ふたり世帯とは、配偶者とふたり、子どもとふたり、のパターンあり。
衝撃ではあるんですが、でもそれも、よく考えれば周りでも聞く話。夫婦ふたり世帯の妻のストレスが半端ないというのは、本当によく聞きます。
やはり家事をしない夫が多いからでしょうかね。熟年離婚が多いというのも、最近はやりの卒婚という考え方も、ふたり世帯のストレス値の高さというのを物語っている気がします。
一方ひとりであれば家事もひとり分、何をしようがしまいが誰からも何の文句も言われないし、自由なのです。
そりゃあ満足度も上がるよねという話です。
でも、元気なうちは良いけれど介護が必要になったらどうするの?という事です。
世界的に見ても優れた、介護保険という味方
一言でいってしまうと、介護保険を使えば、認知症でも体が不自由になっても家でひとりで暮らして死ぬまでいけるという事。
詳しくはこの本を読んでいただきたい。誰もが皆、病院や施設に行きたくはないのです。本音では長年住み慣れた地域にある自宅で、死にたいと思っているのです。
上野さんには子どもがいません。子どもがいない方の方が自分の老後について本気で考えている印象が私にはあります。
やはり子どもがいる人たちは、最後は子どもがなんとかしてくれると甘い考えがあるのではないかなあ。自戒を込めてそう思いました。
ワタシも目指したい在宅ひとり死
この本を読んでいると在宅ひとり死が最高の死に方だと思えてきます。家でひとりの時に死んだって、早めに見つけてもらえれば問題ないのです。孤独死にはなりません。
死ぬ時はどうせひとりです。それまでどう生きるか他人の手も、少しの子どもの手も借りながら自律した生活を送りたい、自由に。
国が在宅を進める動機がお金だったとしても、家にいたいという人の希望とは合致しているのだから、それで良いと思います。
すべき事は、介護保険がこれ以上改悪されないように、目を光らせておくことです。
歳をとったら、ひとりの自由気ままな暮らしが死ぬまで続くと思えば何だか楽しみになってきます。
まあ、ある程度のお金と友だち、コミュニケーションスキルが必要にはなるのでそこは磨いておかねばいけませんね。
上野さんの文章は平易でテンポもよく楽しくあっという間に読めます。そして老後への不安が少し減ります。高齢者の方も、30,40代の方も親や自分の老後の生活を考えるのに最高に役立つと思いますよ。
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【感想】あなたの「きれい」を見つける5週間レッスン 高見恭子 ミニマリスト シンプル
高見恭子さんは元々モデルさん
20歳の時に、古本屋さんでこの本を250円で買いました。「きれい」になれたらいいなと思って(笑)。高見恭子さんは、MC SISTERのモデルさんだったようですね。私が本を買ったときは、お昼のワイドショーに出ているタレントさんという認識でした。
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5週間のレッスン
この本、単なる美容本かと思ったら、いきなり片付けから始まるんです(笑)。1週間ずつ、5回のレッスンに分かれています。
1週目は片付け。
2週目は心のトリートメント
3週目は洋服について
4週目はおしゃれを豊かにするアイテム
最後の週は体のお手入れ、メイク、笑顔の練習などが少し。
写真やイラストは一切なく全て文章なのですが、それがかえって、自分の好みをイメージできたり、時間が経った今も、古いと感じさせにくいと思います。
1週目
本を買った当初は、若かったし、お金もあまりなく一人暮らしをしていたので、物は少なかったんですよね。なので、1週目の片付けは参考程度に読んでいました。その後、何度もこの本を読み返していくうちに大切なことを書いているなという印象を強くしました。まだ、断捨離ブームも起きていない時に書かれた本ですが、「今自分に必要な物以外は持たないようにしましょう」と優しく教えてくれます。
2週目
緑を部屋にとか、髪のお手入れ法とか、香りの楽しみ方など。友だちと遊ぶでもなく、買い物をするだけでもなく、書かれている様に休日を過ごしている女性になれたらと憧れました。一人で、もしくは大切な人と二人で静かに日常の些細なことや、暮らしを大事にしましょうという気持ちは、落ち着いていて大人でいいなぁと思います。
3週目
とうとう、洋服について。私はおしゃれでもなんでもないですが、やはり服や靴やバッグの話をしたり、あれこれ考えたりするのは好きです。ここは、もうそれこそ何十回も読み返してますがこれから先もまだまだ読むと思います。まあ、取り上げているアイテム自体は、よくある定番のアイテムかと思います。白シャツやリトルブラックドレスなどなど。それでも、元モデルさんがたくさんの洋服を着てきた経験の中で書いていることなので改めて納得できること多し、です。
4週目
ファッション小物や、ジュエリーについて。ドレスアップの仕方なんかは、さすが元モデルさんって感じです。さりげなく華やかに。結局、洋服以外のアレンジにおしゃれ感が出るのでしょうかねえ。
5週目
爪のお手入れ、立居振る舞い、普段着からおしゃれ着までのtシャツの着方などなど。
「数少ない必要なものだけに囲まれ、それらの手入れしながら、暮らしていくよう、こころがけましょう」この考えは、今の時代の雰囲気にすんなりはまるのではないかなと思います。
生活ってなんだろ
この本を買って読んでから、レッスンの通りに生きているような女性になりたいなと、思いながら生きてきたんです…。なれたと思う所もあるし、今でもほど遠い状態の所もあるし。若い時には理解できなった部分が、30代になってストンと腑に落ちるという所もあります。
華やかで、派手な暮らしを送っている様に見えていた元モデルでタレントの高見さんが、なんというかこんなにも地味で堅実な暮らしを提案されていることがとても新鮮でグッと心に響きました。
「ていねいな暮らし」「生活を楽しむ」こんな言葉が心に重くのしかかって来る時があります。生活すること自体を投げ出したい時もあります。特に主婦をやっていると、そんな日が多々ある(笑)。それでも生活は待ってくれないし、続いていく。
死ぬまで生活は続くんですよね。それならば、息抜きしながら手も抜きながらやっていくしかないなと、今では諦めの境地。そういう日々でも、ファッションの事を考えたり、自分自身の身体のケアをしたりできるってのは幸せな事なのかもしれません。
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【感想】麻布という不治の病 めんどくさい超進学校 おおたとしまさ 東大 中高一貫 進学校
全国で唯一60年以上連続東大合格トップ10だけど、1度も1位になったことがない
「麻布」という学校は関東にお住いの方からすれば、当たり前のように誰もが知る学校なのかもしれませんが、地方に住んでいる身としては「へー、進学校なんだー」と思う程度だったのが正直なところ。
でも宮台真司先生の母校という意味で私は興味津々です。宮台先生の著書やラジオなんかの中で、麻布の話も時々出てきます。校則は3つだけ、授業中に出前をとらない・廊下をバイクで走らない・鉄下駄を校内で履かない、だったかな。
そもそもそんな事誰がするんですか?と言いたくなる内容なので、ますます麻布って一体どんな学校よ?と興味がわきます。
とにかく麻布に入った時点で、ちゃんと勉強すれば皆東大に行ける地頭の持ち主だという事。悪くて早慶だっていうんですから、まあレベルが違いますね。
そしてこの本の構成は、自らも麻布卒である著者が麻布卒業生にしたインタビュー9人分なのです。
まーみなさん、ぶっとんでます。
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麻布卒の偉人(変人?)9人
では、それが誰かを列挙。
谷垣禎一 亀田隆明 前川喜平 湯浅卓 宮台真司 伊藤羊一 千葉功太郎
吉田尚記 ときど
皆さん中々のエピソード揃いですが、国際弁護士の湯浅さんは飛びぬけています。一時期日本のバラエティ番組にも良く出演されていたので、ご存じの方も多いと思います。あのテレビの感じからも只者ではないことは、わかっていましたが、これ程とは…。
湯浅さんのインタビューは本当に面白かったので、そこだけでも読んでほしい。9人分のインタビューと付録が4つ。どれから読んでも大丈夫なので湯浅さんのインタビューから読んだら一気に読みたくなると思います。
麻布は「江原素六の学校」
付録1では、麻布の素とも言える江原さんのお話です。
麻布の前身となる学校の経営を任された素六さんが、どのような思いで麻布を形作って来たのか、今読むと心に刺さります。
当たり前ですが、学校とは子どもを教育する場です。未来を育てていると言ってもいいかもしれません。
素六さんが考えたのは、明治維新の際に活躍したような、新しい社会を構築するアクの強いエリートを育てるにはどうしたらいいか。
意図的にそんな人物を育てる事など不可能なのだから、自らのびのび成長するのを後押しするしかないのではないか。古い人間は黙って青年を信頼するしかないのでは。
そんな信念の下に経営されていた麻布。なんだか心に刺さりました。今の日本で、そんな風に思って学校を運営している人ってどれくらいいるかしら。
そんな在り方の学校を認める人がどれくらいいるかしら。と、寂しくなってしまいました。
とにかく、笑って・驚いて・感心して・共感して・納得して・最後しんみりしてしまう本でした。ぜひ、読んでみてくださいね。
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【感想】「お手軽気血ごはん」 瀬戸佳子 貧血 タンパク質 ツナ缶 めまい ふらつき
薬膳の観点から食を変える
東洋医学の考え方を基本に食の面から、健康を考えるこの本。女性にありがちな、病気とは言えないまでも生活に支障をきたしてしまうような体調不良や、メンタルの不安定さを食を変えることで改善していきましょうという本です。
私自身、20代の時病院で貧血を指摘されたのですが、そうなってしまった理由は食生活の乱れだったと思っています。仕事がすごく忙しくて、朝昼晩全てコンビニ食を3か月と睡眠不足のWパンチ。結局、今もそのツケを払わされています。
立ちくらみ、朝起きづらい、夏が苦手、筋トレなど運動ができない、遊びに行っても疲れてしまう、なんだか頑張れないなどなど。
この本に書かれている「気」と「血」の両方が足りない「気血両虚」という状態に当てはまると思いました。
その疲れ、食事で改善できるかも
私だけでなく、20代30代40代の女性には結構いらっしゃるんじゃないかなと思っています。自分では気づいてないって場合もありそうです。気合が足りないだけとか、歳をとっただけとか…で片づけてしまわずに食を見直してみると、もっと元気に毎日を送れるかもしれません。
また私がそうであったように、20代であってもいい加減な食事をしていると、後々後悔しかねないので、若いころからこの本に書いてあることを意識しているに越したことはありません。
さて、食を整えれば良いという事は分かった、でも私たちは忙しい!時間も手間も掛けられない!という人がほとんどかな…と思うのですが(もちろん私も)、そんな人のためにこの本はあります。
まず1週間試してみる改善法が3つ。これは本当に簡単です。ただ甘いものを食べられないので辛いかもしれませんが…。頑張りましょう。甘くないおやつなら食べられますのでね。
1週間が終わると、効果を感じられるという事です。さっそく私も試してみたいと思いました!
次は勘違い健康法が6つ
意外と、良かれと思ってやっていた事がまったく意味なかった…ってことありますよね。努力をいくらしていても、それが間違ったことだと何の意味もありません。この6つの勘違いは周りでも良く聞くことかもしれません。これもダメなの?と思う事多し!
「手軽」な気血ごはんのアイデアいろいろ
積極的に食べたい食材がリストアップされているのですが、それだけを見てもなかなかどう組み合わせればいいか分からないのですが、市販品8つを使った具体的なレシピも載っています。
それに市販品8つというのは、缶詰や冷凍品がほとんどですので、非常に取り入れやすいです。そのまま食べられるものも多いので本当に「手軽」。これならやってみようという気になるし、続けやすい!
特に私が気に入ったレシピは、スープジャーに入れるだけで「おかゆ」ができるというもの。体調が悪い時のお弁当とか、家でも朝仕込むだけで出来ているのは便利だなーと思います。食べ過ぎた翌日とかいいですよね。
まとめるとタンパク質を摂れ、という事
こんな風にまとめるのは強引かもしれませんが…。要するに動物性タンパク質をいかに手軽に摂るかという事です。
少し考え方を変えるだけで、手軽にタンパク質を摂ることができます。この本を読んで、賢く食事を変えて元気に毎日を過ごせるようになればいいなと思います。
お手軽気血ごはん 1週間で必ず体がラクになる [ 瀬戸 佳子 ] 価格:1,760円 |
【感想】「AI vs.教科書が読めない子どもたち」新井紀子 シンギュラリティ
AIは東大に合格できるか?の東ロボくん
著者の新井紀子さんは2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」でプロジェクトディレクタを務められてる方。
そのプロジェクトの中で、AIにどうやって試験問題に正答させるか試行錯誤している様子を書かれています。
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その過程で、AIとは何なのか?何ができて何ができないのか?よくわかりました。こんな事も出来ないのか!と驚く所、この部分では人間は勝ちようがないなと思う所。漠然とAIに対して考えていたことがクリアになりました。
AI技術の発達によりなくなる仕事はかなり多い、という反面、AI技術には絶対に代替されない仕事ももちろんある、という事です。
人間にしか出来ない仕事をあなたは出来ますか?
そして、そのAI技術に代替されない仕事をあなたは出来ますか?という話なのです。AI技術とは、つまるところコンピューターです。コンピューターは計算機です。数学で表現できることしかできません。
数学で表現できる人間の世界や事象は非常に限られています。
例えば、AIには意味がわかりません。
「太郎は花子が好きです。」この文章に文法的な間違いがあるかないかはわかっても、意味はわからないのです。
意味って何だろう?
では人間には意味がわかるだろうか。と考えた時に、そりゃあわかるでしょと思ったのですが、「意味が分かる」=「読解力がある」としたらあれれ?と思ったのです。日本の学生の読解力が下がった、というようなニュースを聞いたことがあるなあと。
RST(リーディングスキルテスト)が出来るまで
新井さんはご自身も含め、大学の先生達の多くが学生の学力の質の低下を感じていることを受け、「大学生数学基本調査」を行うのですが、その結果に衝撃を受けます。
「正答数が低かったから」という事なのですが、それ以上に「深刻な誤答」というのも多かったからなのです。「深刻な誤答」ってすごく怖い表現…。
そして、もっと詳細な調査をしようという事で始まったのがRST(リーディングスキルテスト)です。RSTはみんな同じものを受けるらしいので公開はされていないのですが、例題は本の中にありますので試しに解いてみる事もできます。
知識を問う問題ではありません。書いてあることを正確に読み取れるか、聞かれていることに答えられるか、という単純なものです。
「教科書が読めない」はホント
このRSTを実際に中高生に実施してみた詳細は本書をご覧いただきたいのですが、要するに教科書を読める子は少なかったということです。
「読めない」というのは字が「読めない」ではありません。書いてあることの「意味が理解できない」ということです。
あれ?「意味が理解できない」?それってAIと同じじゃ?と思ったあなた、大正解。意味が理解できなければAIにできない仕事をすることができません。
AIに仕事を奪われなくするには?
AIができる仕事においては、人間はAIにかないっこありません。AIによって仕事を奪われる側の人間になってしまいます。
さあどうしよう!という話です。この本には具体的にどうすれば読解力があがるかは書かれていません。読解力向上に相関がある事柄はほとんどなく、明らかに相関があると判断されたものは1つしかありませんでした。
この本ではどうすればいいのかわからない、という感じで終わっているのですが、新井さんが出した次の本では、どうすれば読解力があがるのか具体的なことが書いてあるようです。
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【感想】ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした。 森秋子
ミニマリストの家計術
「ミニマリストになりたい 秋子のブログ」という人気ブログを運営している秋子さん。本を出版するのは3冊目。3冊目にして、お金に特化した本を出してくるあたり分かっているなあ、という感じ。
ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした。 [ 森 秋子 ] 価格:1,540円 |
ブログの中でも、老後資金として必要だと言われている1人2000万円を夫婦2人分貯めた!と書かれていたのでお金について詳しく聞いてみたいと思っていたところなんですよね。
41歳で貯金4000万円という強者の話を聞きたい人は多いのではないでしょうか。なかなか貯金4000万円あります!って人、周りにいませんからね。というかあっても言わないとは思いますが…。
ブログには家計管理について詳しく書かれてはいないし、いろんな事が割とふんわりと書かれているので(それがブログの魅力でもある)、この本で秋子さんの家計に対する試行錯誤を読めて良かったです。
今までの家計遍歴
秋子さんのお宅は、ご夫婦と息子さん1人の3人暮らし。大学卒業後の24歳で結婚して、その時まだ旦那さんは学生だったそう。
そんな若い夫婦はお金がないのが当たり前なのかな…と思うのですが、クルーザーで結婚式を開催したり、25歳で中古マンションを購入したりと、一面だけを見ればお金に余裕があるようにも思える、思い切ったことをしています。
ですが、それが意外と低予算でできる結婚式であったり、20代のうちに住宅ローンを払い終えられたりと、結果オーライにつながっているのが、秋子さん賢いなーと思うところ。
将来につながること、長く使うものには惜しまず払う
若い時にお金がないのは当たり前の事だし、その中でも学びにはお金を出して将来の稼ぐ力につなげたという所は本当に見習うべきところ。
なかなか、その時の生活が精いっぱいだと未来の事まで考えられないものだけれど、若い時は多少無理してでも、将来稼ぐ力になる事にお金を使いたいものです。
後は、長く使うもの。キッチンツールなどの道具や家具のメンテナンス。
確かにキッチンツールって一度買うと、なかなか買い換えないので長く使います。使う頻度も高いですし、多少高くても気に入ったものを買う方が毎日楽しそうです。
秋子さんのブログでは、家具のメンテナンスをしている記事をよく見ます。猫が爪とぎをしてしまう椅子のシートを張り替えると1脚5万円以上。買った方が安い…と思ってしまうけれど、秋子さんの買った椅子はマルニ木工のものです。中古とはいえ、3脚で12600円は激安。それなら1脚5万円以上出して張り替えてもいいと感じます。世代を超えて使えるものでもあるし。
というか、リサイクルショップにマルニ木工の家具が激安であるなんて、大都会東京うらやましいな…。
一か月の生活費20万円
本の中では毎月の生活費の内訳も書かれています。詳細は中身を読んでいただくとして、月に20万円で生活しているという事実にびっくりです。地方でも月20万円というのは結構ハードル高いと思います。住宅費が抑えられているのが大きいとは思いますが。やはり貯金をするには生活水準を抑えるという事が重要なのでしょうね。
結局は自分に合ったやり方を探すしかない
こうやれば貯まる、という話は本当に世間に溢れています。お得情報もセールもポイントも追いきれない程、情報がある中でふと自分を見失いそうになる事ありませんか?
どんなお得よりも、ポイント〇倍つけます!よりも、「買わない」が一番です。秋子さんは自分が何を大切にしたいのか考えて、と言っています。今払おうとしているそのお金は本当に自分にとって必要なことなのか、常に自問自答するという地道な一歩が貯金4000万円への第一歩なのかもしれませんね。
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