社会学者 宮台真司さんの本 クズなコスパ野郎って一体…

口の悪いおじさん

「いいね!ボタンがたくさんつくアートはクズだ。」と言っているおじさんをWEEKLY OCHIAIの宣伝で見かけて、「だれ?このおじさん。」と思ったのが最初。

それが、社会学者の宮台真司さん。恥ずかしながらその時初めて知りました。言っている事が衝撃的で面白すぎて完全にハマっています。著書も本当に多いので、何から読めばいいのか迷いました。

youtubeにも動画たくさんあるのですが、宮台さん博識すぎて、内容のレベルが高すぎて理解できない事もある…。もっともっと、知りたいなと思っています。

宮台さん的に言うと、私はクズなコスパ野郎にはなりたくないし、子どももそう育てたくないという事ですね。

これから日本はどうなっちゃうの?と思っている方は、読めば読むほど答えが見えてくると思います。私は、少なくとも今自分がやるべきことと、未来に対する覚悟ができてきました。とりあえず、4冊ご紹介。また増やしたいと思います。

「ウンコのおじさん」 宮台真司 岡崎勝 尹雄大 ジャパンマシニスト社  2017.12.19

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 表紙にも書いてあるように子育て指南本です。割と優しい言葉で書いてます。宮台さんは、まだ小さい子どもさん3人のパパです。奥さんは20歳年下らしいです。

今子育てしている人皆に、とりあえず読んで欲しいと言いたいです。読んで良かったと私は思いました。

親が子どもを抱え込む=コントロールすると、どういう子になるのかという部分。特に母親ですが、私の周りでも子どもを自分の思い通りにしたいと思っているなーと感じる場面は多々あります。私自身にもあるかもしれないと、省みる機会にもなりました。

結論だけ言うと、親が子どもをコントロールする事が家庭内暴力やひきこもりの原因になるということ、親が子をコントロールする事は愚であるという事です。なぜ、家庭内暴力などにつながるのかは、本に詳しく書いてあるので読んで頂きたいですが、ものすごく納得しました。

後は、近代の社会というのは合理化が進んだ社会であり、その合理化が暮らし全体にまで及んでしまって、政治や性愛、教育までも合理化=「コスパ第一」「リスク回避」しようとした結果、損得だけを重要視するコスパ野郎がまん延しているという話。

ゾオーっとしました。なぜか。自分の中に損得を考えているコスパ野郎を発見したからです。その事に気づかず今まで生きてきたのかしら。今、私の中では世界の見え方が変わってきています。こういう、面白い事があるから読書はやめられないです。

そして、コスパ野郎を内在した私が既に人の子の親であるという恐怖。クズがクズを再生産(笑)しないために出来ることは何か。

それは「体験デザイナー」になれ、という事。人知を超えたものへの恐れと憧れによる動機づけを子どもに与えよ、という事なんですが…。私の解釈では、自然の神秘さ・不思議さを体験させる事で、好奇心や探求心を子どもに発動させて、法や合理化の外側の世界を見せろという事なのかなと思っています。

それと宮台さんのオススメである「1960年代コンテンツを見る」という事を、子どもとさっそく試しています。60年代放送の白黒のアニメ「鬼太郎」を見ているのですが、めっちゃ面白い!子どもも興味持ってます。私が調べた限りでは、東映オンデマンドでしか見られないようです。1話だけ無料で視聴できますよ。


「14歳からの社会学」 宮台真司 世界文化社 2008.11.25

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 横書きの本。左開き。14歳向けを意識してこうしているのかな。横書きなら読んでみようという子がいるのかしら。

読後の感想としてはまず、「これ自分が14歳だったら絶対全部読めない…」ですね。繰り返し何度も読み返して…みたいな事書いてありましたが、十分すぎる程大人な私が読んでもイマイチ理解できない所あり。

これを14歳で面白いと思える子はとてつもない秀才だと思う。全部はわからないけど、なんか面白かった、という感じでもいいのかもしれないけど。

所々、読みやすい部分もあってそこだけを拾って読むのでもいいと思います。全て、完全に理解できる本なんて読む意味ないですからね。

しかし、14歳の時点でこういう話をおぼろげながらでも理解していると、その後の人生を本気で生きられるようになるだろうと思うので、いいなあと思います。

周りの大人たちの、損得を考えた建前の話ばかり聞かされている子どもたちは、これを読んでナルホドね、と思って欲しいです。

自分が得する事ばかりを考えて生きていたら、最期は孤独に死んでいくことしか待っていない。お金はたくさんあっても、誰も寄ってこない。そんな人間にはなりたくないなー。

面白い小見出しをいくつか並べます。

自分に「価値がある」と思えるか

マナー違反を注意できないわけ

「両親は愛し合っていると思うか?」

近代学校教育のモデルは軍隊と監獄

「仕事で自己実現」の考えを捨てろ

「君に向いた仕事なんてあるの?」

「人のために」が一番よくない

「スゴイ」と直感してものを学ぶ

<世界>に直接ふれた時の感覚

かつての14歳は、これを読んですごくビックリしました。社会って、世界ってそういう事だったのか!と。私は今まで何をどうして生きてきたんだろう。こんなことも知らずに。

今の14歳にもかつての14歳にもオススメです。

『「絶望の時代」の希望の恋愛学』 宮台真司 KADOKAWA/中経出版 2013.12.25

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 宮台さんはナンパをフィールドワークとしてしてきたらしいのですが、そのナンパに関するお話し。ナンパってここまで高尚な話になり得るの?と驚愕して驚嘆。

私が知りもしないし、想像もしない世界が展開されていて本当によのなかって面白いなあって感じです。興味のなかった世界がこんなに深くて面白いなんて…。あーわかんない。

「学校的日常を生き抜け」 宮台真司 教育史料出版会  1998.04

学校の中だけではなく、地域も家も学校化してしまい、子どもたちは息苦しくなっている。自分の周りのほとんどの世界が学校の中の様な価値観を求められるって苦しいですよねー。

空間的、時間的な学校化というのは75’~79’にまん延したと宮台さんは書かれているので、私は学校的日常の中育ったという事になります。確かに、そんな空気だったなあ。ボーっと生きてきたので死ぬほど苦しいなんて事はなかったけど、高校を卒業した時本当に清々したの覚えています。

私の中で、きちんと認識も言語化もできていなかったモヤモヤとしたものを宮台さんは全て言葉にして並べてくれるという感じがあります。

私が学生だった頃はまだ、学校化の中で点数至上主義や協調性を高める事を追い求めても意味があったかもしれませんが、今の子どもたちには全くあてはまりませんね。むしろ害でしかないんじゃないの?と思います。小さい子を持つ親としては、非常に有難い子育ての指針です。